黒い閃光登場!「フランス対アルゼンチン」決勝トーナメント1回戦 /IQ127の絶対美少女ミッキーのサッカーW杯観戦記⑤
FIFAワールドカップ2018、1回戦、第一試合。
「アルゼンチンVSフランス」
贅沢な組み合わせよね。
「『神の子』と呼ばれるアルゼンチンの天才メッシ。
それに、フランスが組織的なサッカーでどう対抗するか」
誰もがそんな試合イメージを描いていた。
ところが、実はフランスには「スーパースター」が隠れていた。FWの10番、エムバベ。
ここで、パウーのアプリが調子悪くなっちゃって。
一次的にウチの事務局の公式ツイッターで実況しちゃった。
私は、こうやってメモしておかないと、試合の内容をすぐ忘れちゃうの。
勿論、録画しても良いんだけど、録画って観るの大変でしょ。
こうやって、感想と写真をメモとして記録に残しておくと、さっと思い出せるのよね。
それはともかく。
なんだあああああああああああああああ!!
ここで、フランスの「黒い閃光(ブラック・ライトニング)」FWエムバベが、カウンター攻撃で一人でとんでもないスピードで駆け上がる。
慌てたアルゼンチンは、止める手段がなくペナルティエリアないでファール。
ここで得たPKをフランスが決めて早くも1点。
初めてフランスの試合を観た観客は、一体何が起きたのか、全く理解できずに茫然としたの。
ちなみに「ブラック・ライトニング」というのは、私が勝手に考えた彼のあだ名です。
古いサッカーファンは「組織的なサッカー」というと、「ポゼッション・サッカー」を思い浮かべる。
まわりの状況をよく見ながら、パスを回して相手を崩していくサッカーをイメージすると思うんだけど。
しかし、フランスのサッカーは違う。
あらゆる攻めのパターンを持っていて、それを流れの中で「組織的に切り換える」の。
「よし、ここはカウンターだ」と決めたら、全員でカウンター。
「よし、ここはパスを回す」と決めたら、パスを回す。
そして、その判断と実行スピードがとてつもなく速い。
フランス選手は「個人技がないから組織的に戦おう」というわけではないの。
フランス選手は個人技もめちゃくちゃ高いのよ。その上で、しかも、さらにみんなで協力しあう。
誰もが、ドリブルだろうがシュートだろうがロングパスだろうが短いパスだろうが、全部できちゃうのよ。そして、センスが良い。
「今、この状況ならパターンAで行こうぜ」「お、いいね。じゃ、よろしく」というのが、阿吽の呼吸であっという間に決まる。そして、ずばあああああああっと全員で流れ込んでいく。
あまりの美しさに圧倒された。
フランスの組織力を観たら、もう絶対にアルゼンチンに勝ち目なんてないと思ったわけ。
誰もがそう考えたと思うわ。誰が観ても、アルゼンチンの動きはモタモタして見えるの。
アルゼンチンはボールを持ってから「うーん、どうしようかな」と悩みながら、ゆるゆると前に進む。ところが。
アルゼンチンは、スルスル、ぬるぬる、と前進していく。
この動きがわかっていても巧くて止められないわけ。そして、遠距離からドカンとシュートが飛んでくる。
個人技が優れてるってのは、ホントに強いのよね。
以前も解説したけど、「組織的な作戦」というのは、チームとしていくつも準備できない。
だから、いつかは研究で「読まれてしまう」わけ。
ところが敵のメンバー全員の「個人技」を全て研究し尽くすのは無理なのよね。
「組織的な作戦」は「組織」で止められるけど、個人技は人数でプレッシャーをかけるしか止める方法がない。
敵の個人を潰すために集団でプレッシャーをかけたら、必ず敵の誰かが空くわけで。しかも、そいつまで個人技を持ってたら、もうどうすりゃいいんだっていう。
アルゼンチンはそんなチーム。
メッシが凄いプレイを決めちゃって、フランスはここで1-2で逆転されてしまう。
ところが「超一流のチーム」というのは、一点取られても気にしないのよ。
なぜなら、いつも超一流のチームと戦ってるから。
敵が超一流なら、点を取られるのは当たり前でしょう。
そして、こっちも超一流なんだから、点を取り返せて当たり前なの。
これが、少年サッカーのように「自分たちに得点力がない」あるいは「いつも弱いチームとばかり戦っている」と、 「一点」を大事にしすぎてしまうのよ。
結果、一点とられただけで絶望したり、あるいは、一点をとることで逆に調子を崩して動きが固くなることが多い。
フランスは猛攻を仕掛ける。とにかく、攻め手が多い。
いくらでも手段があるし、あっという間にボールを敵ゴールまで運んでいく。
そして、ここで解説から、とんでもない情報が判明。
「ええ、ゴールキーパーがセカンドなの?」
これはもうダメだわ。
ゴールキーパーってのは、正ゴールキーパーと控えの選手では、質が全く異なる。
ゴールキーパーって、滅多に交代しないから。
正ゴールキーパーは、どんどん経験を積んでいくの。巧い選手はさらに巧くなっていく。
しかも、他のポジションと違って、トシを取ってもやれるポジションだから、ずーっと居続けるの。
そして、チームのメンバーとの絆もどんどん深まって、存在感が増していく。
一方、控えのキーパーっていうのは、たまに駆り出されても「借りてきた猫」みたいになっちゃうのよ。ビクビクしながらさ。
補欠のゴールキーパーは、ディフェンダーにも指示が出しずらいのよ。
ディフェンダーがレギュラーで年上だったらどうする?
いつもベンチの補欠ゴールキーパーが「あっちを守れ!」だとかは言えないでしょう。
「補欠のクセに何を生意気なこと言ってんだ?」って睨まれちゃう。
まあ、そんなわけで、正ゴールキーパーとセカンドゴールキーパーでは、事情が雲泥の差。
サッカーにおいてゴールキーパーって、めちゃくちゃ重要だから。
ゴールキーパーの事情が悪いと、勝率が半分ぐらいになる。
その予感が当たる。
黒い閃光(ブラック・ライトニング)が炸裂。エムバベ速い。
過去の実績は知らないけど。
今日の試合の動きだけを見るなら、エムベバは、メッシやネイマールより凄いんじゃないかと思う。
マラドーナのようなとんでもない選手になる予感がするわ。
メッシやネイマールは、なんだかんだ言って、ゆっくりなのよね。瞬間的な速さはあるけど。
ところが、エムバベは瞬間的な速さ+持続的な速さがある。
エムベバには、メッシのような器用さはない。
でも、圧倒的なスピードでボールを運べて、かつ、そのスピードについていける味方がいるなら、器用なドリブルなんて不要なのよ。
最高スピードで敵を引き付けて味方にパスしちゃえば、それだけで決定的なチャンスになるから。
シンプルよね。モタモタとフェイントかけるよりも、スピード一発勝負のほうが、敵のディフェンス全体をぐちゃぐちゃにできるの。
そして、フランスにはエムバベのスピードについていけるセンスの良い選手がいくらでもいる。
この試合で、もっとも印象的で、衝撃的だったのがこのシーン。
カウンターって、全速力で仕掛けるものでしょう。
ところが、このフランス選手、凄いスピードで仕掛けていったんだけど「この攻めは無理だな」と思ったら、あっさり引き返すのよ。無理な仕掛けはしないの。
で、ディフェンダーの最後方までいったんボールを戻して、もう一度やり直し。
それでちゃんとまたすぐに、もっと良いカタチでチーム全体でボールをゴール付近まで運びなおしちゃうの。唖然としたわ。
誰がどう見たって、チーム全体として上手いのはフランスなの。
しかし、アルゼンチンも粘り強く、ぬるぬるスルスルと個人技で仕掛ける。
チームとして押していたのは間違いなくフランスよ。でも、このせめぎあいで結果を出したのはアルゼンチンだった。だからサッカーは面白い。
チームの「機能」としては、フランスのほうがスペックが上だった。
でも、サッカーとしては互角だった。ここが不思議なところよね。
「フランスはこれだけハイレベルなのに、なぜアルゼンチンを突き放せなかったのか」
この試合を観た後、私はひとり考え込んでしまった。