top of page
masterpiece, high quality, 1girl, gumi, vocaloid,realistic, s-1299096297.png

【淫語ボカロ】9th『PERFECT SEX』

01_9th「パーフェクトセックス」宗教団体真メグデス_ライナーノーツ_20240515-01.png

K-POP、吹奏楽の要素を導入し、さらなる音楽的拡大を目指す、淫語ボカロの覇者。

​音楽において『パーフェクト』はゴールじゃない。 木下 桜子(key)

本アルバムのタイトルは『パーフェクト』で、内容も良いと思うのですが、私自身の心境は全くパーフェクトではありません。これが、アルバムセールスのための、ネガティブな話になるのか、ポジティブな話になるのか、全くわからず、この文章を書いています。

◇ ◆ 7th『BAD SISTERS』は当時の限界で、そこで行き詰った

私は、2021年末から、作曲の先生に指導を受けに行っています。7th『BAD SISTERS』は、それまで独学でやってきた、私やジャイアントさんの『作曲』の頂点であり、限界なんです。

才能があると言われても、ないと言われても、どちらでも良いのですが、限界でした。

音は12個しかないし、自分としては「並べ尽くした」と感じていました。

…にもかかわらず、全く「答え」が見えてこなかったんです。

レコーディング中も、ずっと「響きの悪さ」が気になる。それでも、とにかく自分なりに調査しつくして、可能な限り解消して、「よし」と思ってリリースしたのが7th『BAD SISTERS』。

やれるだけはやりました。​

でも…、例えば、私はバンド『エイジア』が好きなんですけど、それと比較すると、どうにもメグデスの曲は「透明感」が悪い。濁らせたいわけじゃなくて、透明にしたいのに、透き通らない。でも、方法がわからない。

色々迷って、週に一回、作曲の先生に指導を受けに行くことにしたんです。

◇ ◆ 「先生に指導されて修正された曲」を収録した

このアルバムは「先生に指導されて修正された曲」が、たくさん入っています。

Amen、Hotplay、Fucker、インストは、ほぼ全曲、先生に指導を受けて、修正したものを収録しています。

長年「自分でやってみたいけど、曖昧で、やり方がわからない系統の曲」を、きちんと指導を受けてやってみたんです。

 

DTMをやってる方だったらわかると思うんですけど。「なんとなく」は、誰でもできるんですよ。

でも「なんか違う」。この「違和感」を「私の個性、才能」としてわりきるか。

「私は、何も理解できていないんじゃないか」と不安に思うか。

で、結論としては、「私は全然わかってなかった」のです。指導を受けたら、イチから10まで、すべて修正を受けました。YMOの『ライディーン』や、ドラクエのオープニング曲なんて、DTMをやってる中級者なら「そんなのボクにもできるよ」と、絶対に言うと思うんです。私もそうでしたし。

でも、全部、修正されました。「サクラコさん、全然響きが違うよ。ほら」といって、目の前でピアノで、演奏してもらって。それで、愕然としたんですよね。「私、こんなに耳悪かったのか」と。

で、先生の指導を元に、復讐…じゃなかった、復習のために独力で書いたのが「すいせいとまんこ」「Stealer」などの曲です。この2曲は、今までの自分の力では構築できなかった、「巨大な音の広がり」があります。

この、クラシックを土台としたアンサンブルのテクニックは、今の私の大きな武器です。

また、すぎやまこういち先生の曲を、徹底的に分析した指導を受けた、インスト「おまんこクエスト~ペニスのファンファーレ」も大きな財産です。この曲で「エレキ楽器を使わずに、管楽器のみで音楽を組み立てられるようになった」のです。

…。

ところが、別の不満が、自分の中に湧きあがってきたんですよね。

このまま、既存の作曲家の仕事を「答え合わせ」のように、色々教えて貰って「ここはあってます、ここは間違っています」と指導されたその先に、「私の音楽」はあるのか?

いや、「すいせいとまんこ」「Stealer」は、私が長年追いかけていたサウンドなんです。これが達成されたことは嬉しかったんですけど、自力で気づいたわけじゃなくて、先生に「そういうときは、こういう考え方でやるんだよ」と教えられてしまったので、達成感がないんです。「あれ、出来ちゃった」という感じなんです。

◇ ◆ 作曲では「ノーミス」は、ただの「ノーミス」でしかない

th『BAD SISTERS』のときは、「どうしても突破できない。でもやるだけやった」が、その作品のゴールでした。

一方、本アルバム『PERFECT SEX』は、「あれ、できちゃった…」が、ゴールだったんです。

先生に何度も言われたんです。

「これでこの曲、完成だけど、どこかわからないところある?問題ある?」

私は「問題ないです」と答えました。

でも「問題ない」というのは、ゴールではないなと思いました。

音楽における「パーフェクト」とは、「良くも悪くも」なんですよね。

音ゲーなら、ノーミスでクリアで、それが頂点で素晴らしいんですけど。

作曲では「ノーミス」は、ただの「ノーミス」でしかない。

意味伝わりますかね?

セックスやマスターベーションに例えると、わかりやすいかもしれません。

しっかりと手を洗い、避妊して、清潔に、きちんと手順通りに、最後まで終えました。

「ノーミスです。」

そこに『興奮』があるのかということです。

それが求められているかどうかは、時と場合に拠りますよね。

だから、また、悩み始めてしまって。

「難しい状況になったな」と、私は思ったんです。

そんなとき、ミッキーさんが、デタラメな曲を書いてきたんです。ずーっと、ルートE。ギターも、ずーっとEのパワーコードでテキトーに弾いている。サビも、同じ言葉をずっと連呼している。非常にバランスが危うい曲で、ミックスで、ちょっと音のバランスを弄ると、破綻してしまいそうな曲なんです。音楽的に成立しているのか、かなり怪しい。

ところが…、ミッキーさんが、エルザさんにアルバムを聴かせたところ、「勝負するならこの曲だね」と言われたんです。

それが、ずーっと、ルートEのテキトーな曲、アルバムタイトルになった「PERFECT SEX」だったんです。

音楽って、本当に奥が深いなと思いました。それでまた、音楽が楽しくなったんですよね。

(2025.1.13)

セーラームーン、ダーティーペア、そして、エヴァンゲリオン等、昭和~平成のアニソンをリスペクトした、淫語ボカロ曲

01_9th「パーフェクトセックス」宗教団体真メグデス_ライナーノーツ_20240515-18.png

天才・木下桜子が、すぎやまこういち、坂本龍一に対抗意識を燃やしたインスト曲

pixai-1835252888498214948-2.png

【付録】天才・木下桜子の膨大な作曲メモ。『リバース』と『管楽器』に関する情報

パーフェクトセックス_作曲講座.png
bottom of page